インフラエンジニアはやめとけって本当?その理由や対策など解説
「インフラエンジニアはきついからやめとけ」
このような言葉を聞いたことはありませんか?
インフラエンジニアは就業時間が不規則になりがちで業務範囲が広すぎるため、この点がやめとけと言われる大きな理由です。しかし、エンジニアとして多くの技術スキルを磨くことができ、将来性も高いことから決してやめとけと言われる職種ではありません。
この記事では、「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由を探るとともに、負荷がかからないようにするための対策、インフラエンジニアに向いている人などについて解説します。この記事を読んでインフラエンジニアに対するイメージが少しでも変われば幸いです。
インフラエンジニアはやめとけと言われる理由4選
インフラエンジニアはやめとけと言われる主な理由として、以下の4点が考えられます。
- 緊急時にトラブル対応が必要
- 勤務時間が不規則になりがち
- 単純作業が多い
- 業務範囲が広すぎる
それぞれの理由について解説します。
緊急時にトラブル対応が必要
「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる大きな理由のひとつは、緊急時にトラブル対応をしなければならない点です。障害の原因調査に多くの時間と労力を費やしても原因がわからない場合もあり、一刻も早くシステムを復旧させようとするがあまり、相当なプレッシャーがかかります。トラブルはいつ収束するかわからないため緊張感を持ち続けなければならず、時間の経過とともに疲労が蓄積します。
いつ何時トラブルが発生するかわからない、トラブルが発生したらすぐに回復させなければならないというプレッシャーを絶えず受け続けることが、インフラエンジニアはつらいと言われる原因です。
勤務時間が不規則になりがち
トラブルはいつ発生するか誰にもわかりません。営業時間帯に起こることもあれば、夜間、休日に発生することもあります。とくに夜間に障害が発生した場合、インフラエンジニアは緊急呼び出しがかかり、夜中にタクシーで出社しなければなりません。トラブル以外でも、インフラの定期メンテナンスは夜間か休日に実施されることが多いため、勤務時間が不規則になりがちです。
このような不規則な勤務は身体面、精神面で体調を崩しやすく、「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる大きな理由のひとつです。
単純作業が多い
インフラエンジニアの中でも運用業務は単純作業の連続です。ログチェックやリソース監視、手順書にもとづく作業は単調で、自分で考えながら進める作業ではありません。こうした単純な作業は段々飽きてくるもので、いつしか意味がある仕事なのか悩むことがあります。たしかにスキルが上がりにくく、キャリアアップにもつながりません。
こうした単純作業がクローズアップされると「インフラエンジニアはやめとけ」と言われることにつながります。
業務範囲が広すぎる
インフラエンジニアの業務範囲は広いため、疲労が蓄積されやすい傾向があります。業務が多すぎて手が回らない中で、スキルを上げるために日々勉強も続けなければならず、その疲労感は計り知れないものがあります。忙しいことはエンジニアにとってスキル向上や経験を積むよい機会になりますが、あまりに度が過ぎると苦痛に感じることもあります。
このような状態がインフラエンジニアをネガティブに捉える原因のひとつです。
インフラエンジニアはやめとけと言われる対策4つ
インフラエンジニアは身体面、精神面でストレスを抱えやすいものの、きちんと対策を立てれば負荷を軽減できます。主な対策は以下の4つです。
- 最新技術について学び続ける
- 単純作業を習慣化する
- 手順書や対応手順を準備する
- 体調管理に気をつける
それぞれの方法について解説します。
最新技術について学び続ける
インフラエンジニアにとって、最新技術を知っているのかどうかは業務を行ううえで非常に重要です。最新技術について知らないと設計が行えず、運用面でもパッチの適用など判断できないからです。
技術を知らなければ周囲からはエンジニアとしての素養があるのか不信感を抱かれ、場合によっては馬鹿にされることもあります。こうした嘲笑はストレスのもとになりますが、日頃から最新技術を追い求めていればエンジニアとして尊敬されるため、精神的な負荷を下げるためにも最新技術の習得は重要です。
単純作業を習慣化する
単純作業に飽きてしまいストレスを感じるのであれば、単純作業そのものを習慣化しましょう。ルーティン化できれば、無意識のうちに仕事のひとつとして実行できるからです。
たとえば、日常生活でも朝起きたら歯を磨く、帰宅したらうがい手洗いをするといったような無意識に行うことが多くあります。これと同じく、単純作業についても無意識でできるように習慣化することは負荷を下げる意味でも重要です。
単純作業を習慣化するためには、「タスク化する」、「作業を効率化する」、「手順化する」といった方法があります。単純作業の習慣化は抜け漏れを防ぐことにもつながるため、ぜひ取り組んでみてください。
手順書や対応手順を準備する
先ほど解説したとおり、定常的な作業については手順化することで負荷を低減できます。手順書や対応手順が決まっていれば、その場で考え込むことがなくなり、ストレスを受けにくくなるからです。
作業のルーティン化にもつながり、効率性も上がるため他の業務や技術調査に集中できます。さらに、手順書があれば他のエンジニアに仕事が頼めるため、仕事の負荷を減らせるメリットもあります。手順書は一度作成してしまえば大きな修正は発生しにくいので、面倒とは思わずに手順書を整備することを心がけましょう。
体調管理に気をつける
仕事をするうえでは体調管理がもっとも重要です。就業時間が不規則になりがちなインフラエンジニアはとくに気をつけなければなりません。計画作業で夜勤になるときには、代休をとるように調整したり、トラブル対応で残業時間が長くなりそうなときはシフトを組むように調整したり、このような点を意識するだけでも身体的な負荷は下がります。
とくにトラブルのときは帰宅しにくい雰囲気になりがちですが、トラブルは担当者全員で解決すべき問題なので1人で抱え込まずに、管理者や周りのエンジニアと協力し合って無理をしないように気をつけましょう。
不規則な業務に備えるとともに日常生活の中でも健康に悪い習慣は見直すなど、体調管理を心がけましょう。
インフラエンジニアに向いている人
インフラエンジニアはつらさを感じる職種かもしれませんが、インフラエンジニアに向いている人がいることも確かです。インフラエンジニアに向いている人には、このような特徴があります。
- ネットワークやサーバーが好き
- 縁の下の力持ちになりたいと思える
- 地道な作業が好き
- トラブルが起こっても冷静でいられる
それぞれの特徴について解説します。
ネットワークやサーバーが好き
何はなくともネットワークやサーバーが好きでなければインフラエンジニアは務まりません。好きなことを仕事にして知識を深めつつ、スキルアップを図ることは何事においても重要です。とくにインフラエンジニアは学ぶことが多いため、ネットワークやサーバーに興味や関心がなければ挫折しやすい職種です。
探求心が強ければ強いほど仕事に楽しみを見出して自主的に技術力を上げられるため、ネットワークやサーバーが好きな人にとってインフラエンジニアは向いているといえるでしょう。
縁の下の力持ちになりたいと思える
あまり目立ちたくはないけど誰かの役に立ちたい、こう思える人はインフラエンジニアに向いています。インフラはシステムの基盤を支える重要な部分で、まさに土台であるといえるからです。
建物にたとえると、床の下にある土台です。建物の土台や基礎部分は誰の目にも触れることはありません。しかし、土台がしっかりしていなければ建物を建てることはできず、地震が起きたときにはすぐに崩れてしまいます。
建物の土台と同じく、あって当たり前と思われるのがインフラです。そのため、インフラエンジニアは感謝の言葉をかけられることが少ないものの、「システムを支えているんだ」というやりがいを感じ、誰かの役に立ちたいと思える人はインフラエンジニアに向いている性格の持ち主です。
地道な作業が好き
インフラエンジニアはインフラの運用や保守が中心となるため、ITコンサルタントやプログラマーのような華やかさはありません。ログチェック、リソースチェック、手順書どおりの作業など、ひたすら地道にコツコツと作業を続ける日々が続きます。
このような単調な作業の繰り返しでもコツコツ続けられる人はインフラエンジニアに向いています。逆に、同じことを続けるのが飽きやすい、つまらないと感じるのであればインフラエンジニアには向いていません。
トラブルが起こっても冷静でいられる
トラブルなど想定外の事態が発生した際にも沈着冷静でいられることはインフラエンジニアにとって重要です。冷静な判断ができないとトラブルの被害がさらに拡大しかねないからです。
人間は焦ったときにとっさの判断をしがちですが、ほとんどはその場の思いつきであることが多く、理論的ではありません。このような判断は収束のつかない状態を引き起こします。
何事にも動じない姿勢を貫くことはなかなか難しいですが、冷静さを失わない傾向がある人はインフラエンジニアとして頼りがいのある存在になるでしょう。
まとめ
今回は、「インフラエンジニアはやめとけ」と言われる理由と、その対策、インフラエンジニアに向いている人について解説しました。
インフラエンジニアに対するネガティブな発言の理由の多くは、不規則な勤務とトラブルに対するプレッシャーによるものです。たしかに身体面、精神面で負荷がかかるのは事実ですが、体調管理や事前準備など対策を行えば負荷を軽減できるため、必ずしもインフラエンジニアは避けるべき職種だとはいえません。インフラエンジニアには向き、不向きがあるため、その点も考慮する必要があります。
インフラエンジニアは業務範囲が広く苦労を伴う職種ですが、それだけやりがいもあり、信頼を得られれば周囲からも尊敬されます。もしインフラエンジニアに興味を持ったときには、決してネガティブなイメージは持たずチャレンジしてみましょう。