「システムエンジニアに向いている性格」を現役エンジニアが紹介します

当連載では未経験からシステムエンジニアを目指すために知っておきたい業界の知識やエンジニアの仕事について詳しく解説しています。前回の記事「」では文系出身でもシステムエンジニアになれる理由を紹介しています。

今回、この記事ではシステムエンジニアに向いている性格を解説してみたいと思います。システムエンジニアは割と特殊な仕事なので、万人が続けられる仕事だとは思っていません。この記事ではそんなエンジニアを「長く続けられるかも」という性格について紹介します。

ここで上げる性格がシステムエンジニアになる上で必須だとは思いませんし、該当する性格だからとって信頼されるエンジニアになれるとも限りません、少なくとも業務上の適性のようなものに合致するかも・・・という程度ですが、あると気が少しは楽になると思います。

システムエンジニアに向く性格7つ

システムエンジニアの仕事内容は「」にて詳しく解説していますので、「具体的にどんな仕事があるんだっけ?」という人は読んでみてください。さっくりと説明するとシステムエンジニアの仕事は、顧客や取引先との打ち合わせ、プログラマーとの意思疎通役、設計書などを作成する感じになります。

  • 明るい
  • 几帳面
  • 忍耐強い
  • 心配性・慎重
  • 温厚
  • 勇敢

といった7つの性格うち、何個かを持ち合わせているとシステムエンジニアの仕事が「少しは楽しいかも」と思えるかもしれません。システムエンジニアになる前に、自分に適性があるのだろうか?という適性判断の一つとして活用してもらえればと思います。

明るい

システムエンジニアとして仕事をしていく中では、複数人と仕事をする機会が多くなります。どんな仕事もチームで進んでいくためチームメートとコミュニケーションを上手に取れることが意外と重要です。その中でも他人に対して明るくふるまえるような人はチームにとって助けになります。

一緒に仕事をしていて「この人は暗いし関わりづらい」と思われてしまうと、必要な情報も集まってこなくなります。それに辛い仕事を乗り越えるために、明るく元気に仕事ができる人はムービーメーカー的存在として重宝されます。辛い仕事だからこそ「元気にいこう!」と割り切れる人ほどシステムエンジニアには必要だと感じています。

几帳面

システムエンジニアとして働くには、几帳面さがあるとスムーズに仕事が進めやすいと感じています。システムエンジニアとして働く中で、意外と書類作成や報告書作成といったドキュメントベースの作業が多くなり、作成した書類のバックアップといった管理業務も多くなります。

それに加えて設計書や仕様書などの複雑な資料には、変更履歴などの記載が求められます。こうしたドキュメント類の整理整頓や管理、運用といった細々した作業が苦手な人にはシステムエンジニアという仕事を苦痛に感じる可能性もあります。几帳面に一つ一つのことをキッチリとこなして、次、次と進める人はシステムエンジニアに向いているかもしれません。

忍耐強い

システムエンジニアに最も必要だと感じる性格は「忍耐強さ」だと考えています。わたし達は仕事に関わる多くの時間をパソコンと向き合って仕事をしています。パソコンがいくら凄くても基本的には機械ですので、時にスピードが遅くなったり、謎の動作をしたりします。こうした現象にも耐えられる忍耐強さが必要です。

それ以外にも、アプリケーション開発でプログラミングをしていると、解決できない問題やバグに頻繁に遭遇します。「どうやったら解決できるのかさっぱりわからない」みたいなことを多く目の当たりにします。こうした状況でも「本当に解決できない問題」を除いて、大抵のことは辛抱強く取り組まなくてはなりません。

「分からないこと」に対して、貪欲に回答を求めるのは本当に忍耐力がないと務まりません。パソコンの画面をパンチするとすべての問題が解決するわけではありませんので、可能性を一つ一つ試していく根気強さとやり続ける忍耐力が求められるのです。

心配性・慎重

システムエンジニアは文字通り「システム」を扱います。しかし、実際によくよく考えてみると「システム」だけを扱うわけではありません。どんなシステムでも「データ」を取り扱うために動作するのが一般的です。顧客における「データ」とは、例えば顧客情報、従業員の個人情報、売上など様々な機密情報です。

新規でアプリケーションを作るような場合では、お客様の顧客データや取引先情報を得ることもあります。そうした超重要なデータを扱った際に、うっかり情報漏洩を起こした日には、社会的に生活することは難しくなってしまいます。そうした点で神経質になるくらい、物事の取り扱いには注意しなければなりません。

また、プログラミングをする場合でもアプリケーションは繊細で一つの変更がもとで動かなくなったりします。そのため変更を加えることにより想定される影響を、慎重に調査するような場面も多いです。そうした点を鑑みるとシステムエンジニアには、心配性で慎重な姿勢を持っていることが一つの適性かなと考えています。

温厚

システムエンジニアはお客様先での対応や顧客との打ち合わせなど、人と対面になって仕事をすることも多いです。したがって、人当たりのよい温厚さが必要だと思っています。とくに顧客は難しい話をするとなかなか理解されないため、相手のレベルに合わせるスキルも必要です。

打ち合わせの中で専門用語を使わないこと、また専門用語や必要な情報を相手の粒度に併せて、何度も説明するなどちょっとしたことへの温厚さを持ち合わせておくと仕事がスムーズに進み、相手からも信頼されるはずです。逆に攻撃的な人は少し問題になりがちなので注意が必要です。これは私自身の反省も込めて、「温厚」もシステムエンジニアの適性の一つだと挙げたいと思います。

勇敢

最後に、システムエンジニアは勇敢でなくはなりません。システムエンジニアは新しいことに挑戦することが多い仕事です。これまで作ったことのないシステム、触れたことのないプログラミング言語、つかめない顧客の業務など、たくさんのことにチャレンジする仕事です。

そうした職場環境になるため「新しいことにチャレンジする勇敢さ」を持ちあわせておくと、仕事にも体当たりでチャレンジしていけるはずです。なかでも特に技術に対しては、この性格は特に重要かなと考えています。あるシステムを作るときに、これまで触れたことのないプログラミング言語で作る場合もあります。

そうなったときは新しい言語を学ぶために簡単なアプリケーションを作ってみたり、休日にもプログラミング学習をする必要があったり、「学習」を続けるための勇敢さを持ち合わせる必要があると考えています。

適性を考えて仕事を選ぼう

以上、システムエンジニアになるにあたって「適性があるんじゃないか?」と個人的に考える性格を挙げてみました。重ねて言っておきますが、あくまでも「適性の目安」なだけなので、上記の性格に当てはまらない限りシステムエンジニアになれない、ということではありません。

上記に当てはまる性格を持っていない場合は苦労することもあるかもしれませんが、それでもシステムエンジニアという職業に誇りをもって、情熱的に仕事に取り組むことができれば、十分に仕事は楽しいと感じられるかもしれません。ただし、システムエンジニアになるにあたっては「慎重さ」だけは忘れないようにしてもらいたいと思います。

よく重大事故として認定されるのが「物をなくす」というケースです。例えばお酒に酔ってバッグをなくす、客先企業の入館カードを落としてしまう、パソコンを盗まれるなどなど。自分のものであれば別にいいのですが、仕事先の企業のものであったり、重要なデータなどであった場合はかなり厳重に注意・処分が下されると思って下さい。

ですので、普段よりも心配性になるくらいがちょうどよいと思います。慎重さと心配性は少なくとも持ち合わせておくほうが良いですね。とはいえ、これは普段からダブルチェックを行うといった対策でどうにかなりますので、「忘れっぽい」などと思う人は早めに対策を立てておくとよいかと思います。