AIとはいったい何?AIの歴史や現在の活用法について詳しく解説

「AIといえばChatGPTなら知っているけど、何のことかよくわからない」

あなたは、最近テレビで見かけるAIに関するニュースを見て、このように思ったことはありませんか?

AIとは人工知能のことで、「Artificial Intelligence」の略語です。

AIは膨大なデータにもとづき最適な答えを導き出してくれるコンピューターで、現在気象予報や自動運転、セキュリティシステムなど多くの分野で活用されています。

この記事ではAIの定義や歴史、AIの種類について解説します。

もしAIに少しでも興味を持ったときには、ぜひこの記事を参考にしてAIについて理解を深めてみてください。

AIとは

AIとは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と呼ばれます。人工知能とは読んで字のごとく人間の知能を人工的に創り出したもので、機械によって人間の思考を実現しようとしたものです。

人工知能の生みの親ともいえるスタンフォード大学教授のジョン・マッカーシーによると、AIについて以下のように定義しています。

Artificial Intelligence (AI), a term coined by emeritus Stanford Professor John McCarthy in 1955, was defined by him as “the science and engineering of making intelligent machines”.

Stanford HAI Artificial Intelligence Definitions

直訳すると「知的な機械を生み出す科学と工学」という意味で、当時は学問のひとつとして研究されていました。その後、AIに関するさまざまな定義が示されてきましたが、その定義はAIをどのように解釈するのかによって少し異なります。

大きくは人工的に作られた知能という意味なのですが、単に知能をシミュレーションしているものと捉えるものや、人間の知能を超えるものというものまで、さまざまな定義があります。

この理由は、人工知能の可能性については未知数で、どこまで人間の知能に近いのか、あるいは超えるものなのか現時点では誰にもわからないからです。

いずれにしろ、AIは今後も研究が進み、進化し続けるものであるといえます。

AIの歴史

AIの歴史を振り返ると、大きく3つのフェーズに分かれます。

  • 第1次AIブーム(1950年代~1960年代)
  • 第2次AIブーム(1980年代~1990年代)
  • 第3次AIブーム(2000年代~)

それぞれのフェーズについて解説します。

第1次AIブーム(1950年代~1960年代)

先ほどご紹介したとおり、1955年にジョン・マッカーシーによって初めてAIが提唱されました。

当時、コンピューターの技術革新が進み、商用コンピューターが普及し始めたことにより、大学だけではなく企業もAIの研究を盛んに行うようになりました。

チェスやオセロなどのゲームに人工知能が利用されたのもこの頃です。

しかし、当時は複雑な処理をAIに任せられるだけの研究が進まず、このブームは一旦終わります。

第2次AIブーム(1980年代~1990年代)

1980年代になると、コンピューターが学術目的だけではなく広く一般社会に普及し始めたことから、再びAIブームが起こります。

コンピューターの性能が飛躍的に上がったため、人工知能に複雑な処理をさせたり、推測させたりする取り組みが盛んに行われました。

エキスパートシステムと呼ばれる、専門領域に特化した人工知能が生み出されたのもこの時代です。

参考:総務省 人工知能(AI)研究の歴史

しかし、当時はまだ膨大なデータを収集する仕組みが整えられていなかったこと、言語化できない処理をAIに理解させることが困難であったことなどから1990年代中盤にブームは終わりを迎えます。

第3次AIブーム(2000年代~)

2000年代になると、再びAIブームが起こります。これが第3次AIブームと呼ばれるもので、このブームは現在も続いています。

これはAIの学習方法についてさまざまな研究がされ続けていることと、技術の進歩によりビッグデーターを簡単に取り扱えるようになったことが大きな理由です。

機械語学習の方法としてディープラーニングが大きく注目され、この学習方法はAIにとって、なくてはならないものとなりました。

とくに2022年11月にOpenAI社がChatGPTを一般に公開したことでブームに火がつき、今なお世界中で利用者が増え続けています。

AIの種類

AIは目的に応じて汎用型AI、特化型AI、人工超知能の3種類に分かれます。ここでは、それぞれのAIについて解説します。

特化型AI

特化型AIとは、ある特定分野や領域に特化したAIで、ANI(Artificial Narrow Intelligence)とも呼ばれます。

たとえば、画像認識や音声認識、自動運転システム、気象予想システムなどに利用されています。

1番身近にあるのがChatGPTで、その他にもGoogle BardやMicrosoft Bing、Adobe Firefly、Stable Diffusionなども特化型AIです。

AIが得意とする領域に関しては、かなり精度の高い処理が行えるものの、不得意な領域に関しては能力を発揮できないという特徴があります。

汎用型AI

汎用型AIとは、特定の目的にとらわれないAIで、AGI(Artificial General Intelligence)と呼ばれることもあります。

実現例はありませんが、たとえば映画で出てくるアンドロイドなどは、このカテゴリーに属します。

汎用性AIの場合、予測できないようなことをAIに学習させて自律的に回答を導き出せる点が特徴で、まさに進化し続けるAIなのです。

人工超知能

人工超知能とは、汎用型AIや特化型AIとは違い、さらに人工知能の能力を高めたものです。

人工超知能は従来のAIを人間の知能に近づけたもので、AI自身に目的や目標を決めさせたり、感情や意志を持たせたりすることを最終目標としています。

こちらも実現例はありませんが、たとえば、ターミネーターで出てくるスカイネットはこのカテゴリーに属するといっていいでしょう。

まだ研究段階ではあるものの、人間を超えるAIを生み出そうとする新たな試みです。

AIの学習方法とできること

AIにはさまざまな種類があり、現状私たちが触れ合えるAIは特化型AIです。特化型AIができることの例として、次のようなものがあります。

  • 翻訳
  • 自動運転
  • 画像認識
  • チャットボット

それぞれについて解説します。

翻訳

AIの活用事例のひとつに翻訳があります。

翻訳といえば、すぐに思い浮かぶのはGoogle翻訳ですが、これもAIを利用しています。

実際にGoogle翻訳を使ってみて、きれいでわかりやすい文章に翻訳されたことに驚いたという経験を持つ人も多いのではないでしょうか。

AIは文法など決まりのある構造体を取り扱うのが得意なため、翻訳は得意分野のひとつです。

海外とのコミュニケーションや学術論文の共有などあらゆる場面で利用されています。

自動運転

自動運転にもAIの技術が取り入れられています。

障害物や交通ルールなどあらゆるパターンを学習させて、瞬時に判断させることもAIの強みです。

今後の課題としては、いかにイレギュラーなケースを想定してAIに学習させるか、イレギュラーなケースで複数の選択肢がある場合にどう対処させるのかが課題です。

たとえば歩行者が飛び出してきたときにブレーキをかけるのかハンドルを切るのか、こうした点は命に係わる重要な部分のため、AIにどう判断させるのか研究を重ねる必要があります。

画像認識

セキュリティシステムなど画像認識が必要とされるものにもAIが使われています。

人物画像を認識させ、セキュリティカメラで映し出された画像に特定の人物がいないか照合させることが目的です。

最近のAIは進歩していて、その人が変装していても解析できるほどの能力があります。

こうした画像認識は多くの企業で取り入れられている事例のひとつです。

チャットボット

入力した質問に対して自動応答するチャットボットにもAI技術が活用されています。

カスタマーサポートやヘルプデスクへ問い合わせをした際に、質問内容に対して自動的に回答を得られた経験があるかもしれませんが、そのときに回答しているのがチャットボットです。

24時間365日オンラインでの受付を可能としていて、さらに応用させると申し込み時のシミュレーションや提案を行うなど、利用ケースの増加が予想されます。

今回ご紹介した利用方法はあくまで一例にすぎません。

その他にも、クレジットカードの不正利用検知や工場での不良品検出などさまざまな分野で利用されており、今後ますます活用される場面は増えてくるものと思われます。

まとめ

今回はAIについて、AIが生まれてから現在に至るまでの歴史やAIの種類、AIができることについて解説しました。

あらためて整理すると、AIは今から約70年前の1955年に産声をあげ、進化し続けながら現在に至ります。

AIには3つの種類があり、私たちが普段目にするのは特化型AIと呼ばれるものです。

汎用型AIや人工超知能はまだ研究段階ではあるものの、映画やアニメーションの中で描かれてきたアンドロイドや、意志を持ったコンピューターが登場するのも時間の問題なのかもしれません。

特化型AIは言語処理や画像処理にすぐれた能力を発揮でき、ChatGPTやMidjourneyといった形で私たちが身近に触れられる存在になっています。

AIに興味を持ち、これからAIをさらに活用したい、AIを開発する立場になりたいと思ったときには、コンピューターサイエンスについて深く学習してみてください。

そのための第1歩として、プログラミングスクールで学びコンピューターに関する素養を身につけることを強くおすすめします。